元・悪の女王は愛されている。ただし本人に自覚はない

著者:一ノ谷鈴

 リーズは、どうしても女王になりたかった。そのためにありとあらゆる手を使い、彼女は女王の座を手に入れた。けれどその悪行がたたり、じきに大きな内乱が国中で巻き起こった。一番信頼していた右腕は彼女を捨て、彼女を慕っていた義弟はリーズをかばって死んだ。そうして一人ぼっちになった彼女は、燃える王宮の中で命を落とした……はずだった。
 次の瞬間、彼女は傷一つない王宮に立っていた。理由は分からなかったが、彼女は過去に戻ってきていたのだ。それも、戴冠式の最中に。
 思いもかけず、人生をやり直す機会を得たリーズ。かつて悪の女王と呼ばれた彼女は、国を正しく治め、内乱を未然に阻止することを誓う。今度こそ間違えないために、もう何も失わないために。
 そうして彼女は、周囲の人たちと手を取り合い、戸惑いながらも前に進んでいく。やがて孤高の悪の女王は、みなから愛される女王となっていった。彼女は自分の、そしてみなの幸せのため、今日も悪戦苦闘し続ける。彼女を取り巻く男たちがやきもきしていることに、まったく気づかないまま。

※「小説家になろう」は株式会社ヒナプロジェクトの登録商標です
本サービスは株式会社ヒナプロジェクトが提供するものではありません

レビュー