全てが代わる時

著者:リスト

かつて不毛な地であったアザランシア王国は、遥か天上より訪れた龍が引く黄金の馬車に乗った偉大なる龍の王、宗龍により恵みを与えられ建国された。
今や遠い昔の伝承として語り継がれるそれは、ただのおとぎ話として人々に受け止められていた。
アザランシア王国の筆頭公爵家の娘、ミリアム・グランティーノは王太子の婚約者であった。

だが、母が亡くなった後に父が連れてきた異母妹に王太子はあろうことか心奪われ、次第にミリアムを蔑ろにしていく。
忠言も聞き流され、時に心狭き者だと理不尽な叱責も受けるようになる。

家では新しい義母と義妹に蔑まれ、父が無関心を決め込んだ為、使用人にも恵まれず孤独な日々を送る。

そんなある日、国王夫妻が暗殺される事件が起こった。

ミリアムは知らぬ内に敵国へと通じ陛下を弑した犯人に仕立て上げられ、義妹を虐げ不定を繰り返す最低な悪女だと非難された。

そして今日、尋問を受けボロボロになったミリアムは皆の前に立っている。

その首を落とされるために…

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