わたくしの婚約者は無能で愚鈍と悪評名高い王太子。
容姿、知能、運動能力全てに渡って凡庸未満。王太子という以外、なんの取り柄もない人です。
しかも美的センスのかけらもないんです。
贈ってくれるアクセサリーの類いも、身につけようがないものばかりで、そのくせ、捨てようにも捨てられません。
ここはひとつ、婚約者が買い物しているところに乗り込んで、センスというものを教えてさしあげるしかありませんね! でも、ふたりで買い物とかって、まるで相思相愛の恋人同士じゃないですか! ちがいますわ! わたくしたちはあくまで両家のそして国家のために婚約してるだけんんです!
『わたくしの婚約者殿は無能ですが、たったひとつのことだけは有能です』と『娘の婚約者に無能者を選んだのは私だが、そのせいで娘が希代な悪女になりそうで怖い』に続くお話です。
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