婚約破棄された役立たずの空っぽ聖女は、ある日溺愛してくれる銀竜公爵から聞いたそうです~お前を蔑んでいた家族は国外追放され、王太子は僧院送りになったようだと~

著者:安野 吽

フィースバーク侯爵家の三女として生まれたリュミエールは、ある日、悲しい夢を見て目覚める――。聖女の血筋であるにもかかわらず、何の能力も持たず『空っぽ聖女』、『亡霊令嬢』などと周りの貴族、両親や姉達にさえ揶揄、冷遇されていた彼女。しかし、その容姿だけは誰よりも血筋を受け継いだ為、王太子の婚約者として選ばれることとなった。その日は王太子の誕生日で、生誕祭の会場に赴いた彼女だったが、なんとその場でいきなり婚約破棄を叩きつけられ、腹違いの姉のサンドラが知らぬ間に彼とただならぬ関係になっていた事を知る……。悲嘆にくれ気を失う彼女を救ったのは冷血と名高い銀竜公爵と呼ばれている男性で……その後、日を置かずに彼から婚約の申し出があり、リュミエールは支度金と引き換えで追放されるかのように家から追い出されるのだった……。
絶望にくれながら訪れた嫁ぎ先の公爵家だったが、そこで出会ったのは彼女に好意的な人々ばかりで……日々彼女は塞いでいた思いを解きほぐされ、楽しい日々を過ごしながら、やがてぶっきらぼうだが素直で努力家の銀竜公爵との距離も近づいてゆく。だがそこに、実家から茶会の誘いがあり、そこには王太子とサンドラも訪れるという――。
これは、聖女として失格だと蔑まれていたリュミエールが、自分を取り巻く不遇な環境から解放され、幸せをつかみ取るまでの物語。
※◇は他者視点のお話になっています。

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