自国の第一王子から返却された本を図書館の棚に戻していたカタリーナは、厚い本の間に薄い本が挟まっていることに気がついた。
落とした拍子に目にしてしまったそれは、特殊性癖の、どピンクなエロ本だった。
――なにこれッ!?
固まっていると、その本を手にしているところを王子に見つかってしまう。
口止めのために殺されるのではと真っ青になったカタリーナだが、その場に父親が現れる。
「娘が何かご無礼でもはたらきましたでしょうか」
「いや。彼女に一目惚れしてしまったから、求婚しようとしていたところだよ」
――この王子、何言ってんの!?!?
当日のうちに婚約が決まり、カタリーナの意思はそっちのけで国全体はお祝いムードになってしまった。
「あの、殿下、口外しませんので婚約破棄をしていただけないでしょうか……」
そう頼み込むが、婚約破棄はしてもらえないのだった。
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