公爵令嬢セラフィナは破滅を告げる夢を見た

著者:一ノ谷鈴

「君との婚約は、破棄させてもらう」ある日、セラフィナは婚約者である王子にそう告げられる夢を見た。やけに生々しいその夢の中で、彼女は断罪された。何一つ身に覚えのない罪で。
 そうして目を覚ましたセラフィナは、自分について悪い噂が立っていることに気づく。この噂を放っておいたら、あの夢が正夢になってしまうかもしれない。彼女はそう考え、一生懸命に噂を打ち消して回った。
 これで、あの夢の通りになることはないだろう。そう彼女がほっとしたのもつかの間、事態はさらに悪いほうへ動いていた。なんと、王子が他の女性へと心変わりしてしまったのだ。このままでは自分は、愛のない王妃としてうつろな一生を過ごすことになる。傷つき打ちひしがれたセラフィナは、必死に言い訳する王子に婚約破棄を叩き付け、遠く離れた新天地へと向かうことにした。
 新しい場所、新しい暮らし。ここで今度こそ幸せになろうとセラフィナは張り切る。しかし彼女はまた、別の悪夢を見てしまった。そうして夢の通りに、彼女は危地に追い込まれていく。
 結局どうやっても、悪夢に逆らうことはできないのだろうか。セラフィナがあきらめかけたその時、救いの手を彼女に差し伸べる者がいた。その人物が彼女の未来を丸ごと変えてしまうことに、この時の彼女はまだ気づいていなかった。

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