辺境の薬師として働く俺、リーフは、師匠の孫娘であり婚約者を、突然やってきた貴族に奪われる。
彼女は俺に仕事を押しつける一方で、堂々と浮気していたらしい。
婚約者から、貴族と結婚することを告げられ、師匠の代から受け継いだ薬屋から出て行くよう強いてくる。
「あたしの下僕といて、貴族のお屋敷で働かせてあげてもいいのよ?」
「ふざけるな……! もうおまえのことなんて知らん!」
ぶち切れた俺は婚約者と村を捨てて、旅に出る。
そこで俺は森の中で襲われてる少女を助けたことで、自分がものすごい薬師であること、そして、Sランク冒険者並みの戦闘技能があることを知る。
その後、王都へ行き大成する俺。
一方、婚約者と貴族は、俺を追い出したことで大変な目に遭う。
「いつもの薬出しておくれ」
「いつものって言われても、リーフじゃないとわからないわよぉ!」
辺境の村人たち(実は引退したものすごい英雄達の村)から嫌われたことで、貴族は落ちぶれていき、また婚約者はどんどんと不幸になっていく……
※短編の連載版です。
レビュー
リーフ・ケミストは王国北端の村デッドエンドで薬師として今は亡き師匠・アスクレピオスの孫娘で婚約者であるドクオーナと暮らす18歳。
しかしリーフは村の老人たちに薬を作る一方、ドクオーナからこき使われ、顎で使われる日々を送っていた。
そんな中、突如としてリーフの前にヴォツラーク領領主であるオロカン・フォン・ヴォツラークが現れ、裏で彼と関係を持っていたドクオーナとオロカンの手により村から追放され、王都へと向かう。
実はデッドエンドはかつての英雄たちの隠居先で、幼少期からアスクレピオスや老人たちから鍛えられ続けてきたリーフは王都のギルドで頭角を現すようになっていく………
『俺TUEEE』や『追放ざまぁ』っぽいけど
付き合っている男の社会的地位🟰自分の社会的地位と勘違いしているキャラが出てたり、薬の価格をつり上げて年寄りから巻き上げた金でボロ儲けしてオレオレ詐欺の元締めと論理を唱えてるキャラがいたりで、現実世界でもありそうなことに対する風刺をうまく描いてて面白い!