最強の剣聖のオッサン、没落伯爵令嬢のメイドに転生する ~箒で無双するメイド少女は、『剣聖』を目指すお嬢様の側仕えとして騎士養成学校に入学することになりました~

著者:三日月猫

「何故だ、何故、こんなことに・・・・・」

 少女は箒を掃きながら、苦悩のため息を溢す。

 この少女、今でこそはメイド服を着込んだ可愛らしい見た目をしているが、その実、生前は無敗を誇った世界最強の『剣聖』だったのである。

 名を、アーノイック・ブルシュトローム。

 生前の姿は、筋骨隆々の髭モジャ大男。年齢48歳。生涯独身。好きなもの、酒と博打。

 そんな無骨な男が、何故か死後、メイドへと転生してしまったのだ。

 それも、男であれば誰もが視線を奪われるであろう、見目麗しいメイドの少女へと。

 彼は自身に起こったこの出来事に理解が追い付かず、ただただ混乱しながら、15歳となる今の今まで、坦々とメイド業に従事せざるを得なかった。

 自身が元剣聖であることを、誰にも明かさずに。

 「アネット!! あたしと共に騎士養成学校に入学するわよ!! あたしは絶対に『剣聖』になってやるんだからっ!!!!」

 中庭で箒を掃く元おっさんのメイド少女の元に、豪奢なドレスを身にまとった少女が満面の笑みで駆け寄ってくる。

 そんな少女に対して、彼もとい彼女は、呆れたような口調で言葉を返した。

「お嬢様・・・・私も、一緒に入学しなければならないのですか??」

「当たり前よ!! 貴方はあたしの付き人なのだからねっ!!」

 そう。

 彼は何故か、『剣聖』を目指す貴族令嬢の使用人となってしまったのだった。

 これは、剣士の頂点を目指す没落寸前の貴族令嬢と、その付き人である元剣聖のメイドが、剣を手に、お家復興をするべく奮闘する物語。

 元剣聖の最強のメイドが今世は平穏な暮らしを送るために、実力を隠しながら貴族令嬢の使用人として生きる、何とも可笑しく奇妙な物語、なのである。

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