零細奴隷商人、一人も奴隷が売れなかったので売れ残り少女たちと辺境でスローライフをする~毎日優しく接していたら、いつの間にか勝手に魔物を狩るようになってきた。え、この子たち最強種の魔族だったの?~

「奴隷を買いたいんですか? それでは、絶対に食事は与えてください。お風呂も与えてください。部屋も与えてください。それと、何かあったらすぐに病院に連れて行ってあげてください。その他諸々書いた書類も用意していますので、それにも目を通していただけると」

「はぁ? なんだそれ。奴隷風情にそこまでやらせんのかよ。やっぱいいわ。別のところで買う」

「あ、ちょっと!」

スレイは全く売れない零細奴隷商人である。訳あってやりたくない奴隷商人をやっているのだが、商品である子たちへの愛情が強いばかりに客には相手にされない。同業者にすらバカにされ、スレイの地位は低いものだった。

「スレイ! また売れなかったの?」

「全く、あなたは奴隷に甘すぎるのよ」

「だ、大丈夫ですよ。また、えっと。次があります?」

「……奴隷たちに励まされている奴隷商人なんて聞いたことないよな」

挙句の果てには奴隷である獣人のミーア、吸血鬼のイヴ、エルフのレイレイに励まされている状況である。しかし、スレイにとっては彼女たちが幸せになってほしいと願ってしていることであった。だが、そう上手くはいかない。

スレイが奴隷商人をやっている理由の一つとして、両親が抱えていた借金を返済するためという事情があった。更に、奴隷たちに快適な生活を送ってもらうために費やしたお金で更に借金は膨らみ続け、最終的に「この日までに返さないと首が飛ぶぞ」と言われていた日を迎える。

このままでは自分の首が飛ぶ……!

考えたスレイは借金取りから逃げるために辺境へと逃げることにした。いっそのこと、辺境で愛している奴隷たちと幸せな生活を送ろう。そう誓ったわけだが……逃げた辺境は魔物だらけ悪人だらけの荒れ果てた土地。

もう終わりだ……と死を決意したスレイだったが――あれ、奴隷たちが全てを蹂躙していってるんだけど?

え、というか俺が一緒に生活していた魔族たちが最強種ってマジですか?

これは、奴隷を愛する駄目商人が実は最強種だった奴隷とともに辺境でスローライフを送る物語。

★ジャンル別日間1位★

原案:はにゅう 著:夜分長文

※「小説家になろう」は株式会社ヒナプロジェクトの登録商標です
本サービスは株式会社ヒナプロジェクトが提供するものではありません

レビュー