屋根裏に追いやられた居候令嬢は、笑顔で屋敷を後にする。わたくしがいなくなってから没落したと聞きましたけれど当然でしょ。だってわたくし、そもそも座敷わらしなんですもの。

著者:石河 翠

公爵家に居候しているバーバラは、醜い厄介者として屋根裏に追いやられている。

それでもいつも笑顔で過ごしていたバーバラだったが、ある日屋敷内で泥棒の疑いをかけられる。屋敷の住人にすっかり愛想がつきた彼女は、以前から口説かれていた隣国の貧乏伯爵家の元に身を寄せることにした。

なぜならバーバラは、その昔遠い東の島国からやってきた座敷わらし。家が栄えてきたのはバーバラのおかげだったのだ。

数代前の当主の恩に報いるため我慢していたが、もう限界だ。義理は果たしたとばかりに、バーバラは屋敷を後にする。

さらに彼女は、自分が立ち去った後の屋敷を長年の親友である貧乏神に優良物件として紹介するのだった。

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