心を閉ざした公爵閣下と婚約したはずなのに、なぜか大切にされてしまってます!

著者:伊賀海栗

「俺が君を愛することはないから、多くを求めぬよう」

 若き美貌のジョエル・フォンタナ公爵は、君命により嫁ぐため屋敷へと訪れたアリーチェにそう言った。
 だがアリーチェは安堵する。……追い出されなくて良かったと。

 アリーチェはマリーノ伯爵家の長女だが、実家で蔑まれて過ごしてきた。それは実の母が亡くなり、後妻と異母妹が屋敷にやってきたため。そして彼女は精霊の加護を持たないが、妹は加護を持っていたため。
 だがマリーノ伯爵家に公爵家との婚約話が持ち上がった時、妹はそれを激しく拒絶した。

「冷酷非情のジョエル・フォンタナの妻なんて絶対イヤだからね!」

 こうしてフォンタナ家に嫁ぐこととなったアリーチェはジョエルの冷たい瞳に迎えられながらも、優しい使用人たちに受け入れられる。
 その中で彼女はなぜジョエルが冷酷非情と言われるまでに心を閉ざしているのかを、彼女の持つ精霊の加護とは異なる力を知ることになる。
 そしてジョエルの閉ざされた心を開いていくこととなるのだった。

※アルファポリスでも掲載しています

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