誰が太刀打ち出来ないって言いましたか?〜残り物の貧乏クジだと思っていた嫁が一番ヤバい奴でした〜

著者:調彩雨

 あるところに、大きな大きな国がありました。国王陛下には五人の息子がいて、それぞれ優秀でとても美しい王子たちでした。

 あるとき、国王陛下は、国に仇為す悪い魔女の討伐を命じます。国の兵士や魔法使いたちは力を合わせ、どうにか悪い魔女を倒すことに成功しましたが、悪い魔女は倒される寸前、最後の力で呪いを放ちました。魔女の放った呪いは、五人の王子たちを襲い、可哀想な王子たちは、強力な呪いに囚われてしまいました。

 困った国王陛下は、国中と周りの属国に命じます。王子の呪いを解くために、強い兵士と賢い魔法使い、そして優秀な姫を集めよ。そうして哀れな王子たちのために、五人の兵士と五人の魔法使い、そして、五人の姫君が集められました。

 集められたものたちを前に、国王陛下は王子たちへ告げます。おまえたちにひとりずつ、兵士と魔法使いと姫君を与えよう。与えられたものを巧く使って、呪いに打ち勝ち、優秀さを示した者を、次の国王にする。王子たちは兵士と魔法使いと姫君をひとりずつ選び、呪いを解くために奮闘を始めました。

「その、五人の王子なかで、いちばんのミソッカスが僕ってわけ」

 移民の子として蔑まれる第三王子ユールが、残り物の兵士と騎士と姫君と共に、自分にかけられた呪いを解くお話。

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