陛下、私は貴方の元婚約者ではなくその娘ですから、罪滅ぼしなど結構です。いえ、むしろ迷惑ですから

 ブリトリアン王太子と、ホーズボルト辺境伯家の令嬢のアスティリアはお互いに思い合っていた。しかし、二人はお互いの気持ちを伝えることができない理由があった。
 王太子はまだ十二歳だった時、王宮の庭園で二つ年下のアスティリアにプロポーズした。
 しかしその時二人は初対面。彼は父親の命令で彼女に「あなたを幸せにします。一生愛します」と告げたのだ。すると彼女はこう言った。「一生の愛なんて信じられません。いつ私以外に真実の愛を見つけてしまうかわかりませんもの」と。
 実は彼女の母親は国王の元婚約者だったのだ。ところが、当時の王太子に浮気をされて婚約破棄された挙げ句、冤罪で投獄され、熊男と噂されていた辺境伯と結婚させられたのだ。
 国王は今頃になって元婚約者に謝罪して償いたいらしいが、周りの者達にとってそれは傍迷惑以外のなにものでもなかった。
 そんな国王に振り回される恋人達が幸せを掴むまでの話。
 あくまでも異世界、独自の世界観の話ですので、それをご理解した上でお読み下さると助かります。

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