私は私を知らなかった。

著者:鯵御膳

イーヴァル伯爵令嬢であるラヴェンナは、自分の顔をはっきりと見たことがなかった。
割れやすいガラス張りの鏡というものが行き渡らない田舎の令嬢は、せいぜい金属板を磨いた鏡でしか己の顔を見ることが出来ないからだ。
けれど彼女が王都の学院に進学すると、その顔を見ることが出来るようになった。
結果、彼女は自分がどの程度なのかを思い知らされることにもなる。
だが、公爵令嬢や第一王子と出会い、切磋琢磨する内に彼女は己を磨き上げ、貴族令嬢として誰に恥じることのない美しさを獲得していくことになる。
その結果、彼女が掴み取った未来とは……。

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