◆完結◆『後悔してる』って、ご勝手にどうぞ! あなたがいなくて、こちらは幸せですから〜乙女ゲームの破滅フラグをへし折る無自覚聖女は、難攻不落の攻略キャラに溺愛される。言っておきますが私、悪役令嬢です

著者:瑞貴

 侯爵令嬢アリアナは、突然の婚約破棄を突き付けられた。
「アリアナ侯爵令嬢。君との婚約を破棄する」
 婚約者と腕を組むのは、幼馴染で親友の男爵令嬢のシャロン。

 アリアナは何故か危機が起きる前に、その映像が頭の中に流れてくる。
 これまで危機を察知しては、彼ら2人を助けてきたが、何度説明しても信じて貰えない。

 ……婚約者が階段から落ちる。
 それを防ごうと、彼を庇ったアリアナは階段の下へ真っ逆さまに落ちてしまう。
 頭を打った彼女は、乙女ゲームにのめり込んでいた前世の記憶を思い出す。

 そして今、そのゲームの世界にいるアリアナは悪役令嬢で、男爵令嬢のシャロンがヒロインだ。

 アリアナが階段から落下したことで、隠れキャラであるブライアン・クロフォード公爵のルートを開いてしまい、乙女ゲームの第2幕に突入した。
 だが、その事実をアリアナは全く分かっておらず、言い寄ってくる隠れキャラに不信感を抱き続ける。
 この乙女ゲーム。第1幕は糖度高めの恋愛攻略系であるが、第2幕に進めるキャラは、隠れキャラのみ。なぜなら、第1幕のキャラたちは、ゲームの黒幕により再起不能になるからだ。
 第2幕は、国の動乱を巻き起こす暗躍者を、隠れキャラのブライアンと共に排除し「聖女の実」を手に入れる、謎解きミッション系のゲームである。さらに、謎解きミッションの中で、ブライアンの好感度をマックスに上げないと、トゥルーエンドにならないハイブリッド系の乙女ゲーム。
 ゲームのシナリオどおりであれば、必然、ブライアンのパートナーに「聖女の実」が託される。
 ただ、その聖女の実には、5百年前の聖女にまつわる不可思議な伝承も残っている。その不吉な伝承に打ち勝つには、ブライアンとの好感度が必要になる。

 しかしアリアナは、事の重大さに全く気付いていない……。
 前世でゲームを第一幕までしか攻略していないアリアナは、それはもう行き当たりばったりに、正義という名のお節介を炸裂させる。
 彼女は、不幸な運命を辿る攻略キャラたちを次々と救い、乙女ゲームの正規のシナリオを全て塗り替え、自ら何倍増しにも増幅させた波瀾の幕を突き進む。

 余計なお世話を炸裂させるアリアナは、幸せなトゥルーエンドを迎えることができるのか⁉

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