売られるのが嫌で家から逃げた私は、寝込みがちな辺境伯のお世話をすることになりました

シャルロッテ・ハ―ミルトンはハ―ミルトン伯爵家の長女でありながら、家族に嫌われメイドとしてこきつかわれていた。

十八歳のある日、両親が金を作るためにシャルロッテを娼館に売るという話をしていたため、逃亡を決意する。
荷馬車の主に頼み込んで、人の住む場所ではないと言われている辺境へと向かった。

荷馬車はシャルロッテをウルフロッド辺境伯家に運んだ。
そこで待っていたのは――待っていたというか、倒れていたのは、誰もいない辺境伯家で一人住んでいるジオスティル・ウルフロッド辺境伯だった。

辺境は魔獣が蔓延る地である。人はほとんど住んでいない。そんな場所で、ジオスティルは魔獣討伐に明け暮れていた。
強すぎる魔力を身に宿したジオスティルは虚弱で、不摂生で、不健康。

おまけに面倒を見てくれる人もいない。
見かねたシャルロッテは、他に行く当てもないし、ジオスティルの面倒を見ることにしたのだった。

不健康でとある事情から孤独になったジオスティルと、逞しく生きるシャルロッテが領地を開拓したり魔獣を討伐したり、森と湖と草原ばかりの人よりも動物や魔獣の方がずっと多い辺境で、のんびり暮らす話です。

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