王国に仕える騎士バーブル・フェルトには将来を誓った女がいた。彼女の名はアンナと言った。
ある時、彼は戦に出向く事になったので、「帰ったら結婚しよう」と誓い合い、弟のハルンに留守を託して意気揚々と戦場に旅立った。
思いもよらぬ苦戦を経て、一年後に英雄として凱旋した彼を待っていたのは、なぜか結婚していたハルンとアンナであり、二人の間に生まれた子供だった。
困惑しているバーブルに、ハルンは冷然と言い放つ。
「昔から好きだったから、兄貴が出てった後に告白して結婚した。王の許可も得ている」と。代償としてアンナの妹のエレナと結婚するように勧めてくるハルンに、バーブルは怒るより呆れてしまい、遂に全てを投げ出すように領地に引き籠ってしまうのだった――。
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