婚約破棄された優しいお姉ちゃんは悪役令嬢なんかじゃない! ~わたしの大好きなお兄ちゃんが死に物狂いで集めた証拠は無駄にはしません~

著者:ヒデミケ

 王国貴族学園魔術教師ケルトは、頭を抱えていた。
 彼は、王国宮廷魔術師であり、今は一線を退いてはいるが、そのまま王国管理下の貴族学園臨時教師の仕事を兼任していた。じっと見つめる先は、初等部4回生の課題の答案だった。
課題は『自分のアピールポイントについて、簡潔に書いて下さい』
臨時教師だからと言って、今の仕事は生きがいであるし生徒たちとの交流は楽しい。
 無下には出来ない。一人一人丁寧に添削し、自分なりの評価コメントなども個々に入れていた。
 ただでさえ時間はかかるのだが、満足感は格別だった。

 ――だが、一人の生徒の答案の前で、彼は必死に悩むことになったのだ。

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