そこは森に守られ、森の恩恵を受けた美しい国。王国は森との誓約の証に少女を迎え入れ、森の聖女として大切に扱ってきた。
だが時の王、シリル・ドラクロワは度重なる聖女の浪費癖についに堪忍袋の緒が切れたのだ。
「もう我慢ならない! 森の聖女を追い出せ! 森との誓約などおとぎ話にすぎん!」
そう叫んだ王の手先によって、聖女リリアーナは森へと捨てられてしまった。
「なんだかわからないけど、ただいま」
森で生まれ、森で育てられた正真正銘の聖女だったリリアーナを追い返された森は激怒し、王国を守ることをやめてしまった。
そしてさらに七年後、森の聖女は森の反対側にある砂漠の国の妃になっていたのである。
「お前もこの国に来て五年だ。他にいい男はいなかったのか」
「あなたが一番強い。番になるなら一番強い男がいい」
森で育ったちょっと風変わりな聖女と、それに振り回される砂漠の覇王の物語。
ほんの少しだけですが虐待を匂わせる部分がありますので、苦手な方はご注意ください。なおざまぁはほぼありませんが自滅はあります。
別のサイトにも投稿しています。
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2020/07/10 ジャンル別日間ランキングで5位に入りました。ありがとうございます。
認識した瞬間に変な悲鳴が出ました。嬉しいです。
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