「レーナッ、私たちは逃げるからなッ! せめてお前は、カラダでも使って革命軍を食い止めろ!」
「……はい、お父様」
――この日、私の国は終わりを迎えた。父の圧制に苦しんだ民衆が革命を起こしたのだ。
王城に攻め込んでくる痩せ細った人々。たとえ私が平民の子だと馬鹿にされ、使用人と共に働かされる『メイド姫』と呼ばれる存在だろうが、彼らにとっては憎き王族に違いなかった。
――そうして衣服を引き裂かれ、花を散らされそうになっていた、その時。
「鎮まるがいい。たとえ相手が王女だろうと、醜い真似は――っ、おまえは……!?」
「えっ?」
革命軍の指導者である『氷の魔将』は、なぜか私を見た瞬間に抱きついてきて……!?
――これは、心身共にボロボロなメイド姫が、昔助けた男性に溺愛されて、その才能と魅力を開花させていく幸福な物語である。
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