たなかの小説一覧

小説家になろう

元婚約者は乙女になりました

いえ、正確に表現するなら、私が彼を乙女にしてしまったのです。....
著者 : たなか
小説家になろう

世界一痩せているぽっちゃり令嬢

 僕には生まれて間もない頃の記憶が、ほんの僅かに残っている。  まるで球体のように膨らんだ女が、揺り籠に近付いてくる。その見た目があまりに恐ろしくて、僕は泣き喚いた。耳を塞ぎ、顔をしかめて、さらに一回り大きくなった彼女にヒステリックに怒鳴られた、その忌まわしい出来事だけを今でも鮮明に覚えている。 ....
著者 : たなか
小説家になろう

婚約破棄を宣言される前に誘拐されました

「……よって、イザベラ! お前に婚約破棄を……」 「動くんじゃない!!!」  今まさに婚約者のアラン王子から婚約破棄を宣言されようとした瞬間、卒業パーティー会場に怒声が響き渡りました。乱暴に開け放たれた会場の入り口には覆面を被り、たくさんの細い筒のようなものをグルグルと体中に巻き付けた不審者の姿....
著者 : たなか
小説家になろう

ゴリラ王子と子豚令嬢

 私の婚約者であるアラン様は、この王国の第一王子です。しかし、初めて彼の姿を目にした人の多くは、高貴なる血筋の持ち主だと気づきません。  彫りの深い顔に濃いゲジゲジ眉毛。分厚い唇に野太い声。褐色の鎧を身に付けているかのように発達した筋肉とモジャモジャの剛毛に覆われた全身。  叩き上げの近衛兵長や....
著者 : たなか
小説家になろう

只今、臨時ニュースが入りました。本日15時頃、アラン第一王子が婚約者であるイザベラ公爵令嬢に対し、卒業パーティーの最中に、婚約破棄を宣言したとのことです。

「繰り返します。本日15時頃、アラン第一王子が婚約者であるイザベラ公爵令嬢に対し、卒業パーティーで婚約破棄を宣言したとのことです。商工会長のギルドンさん、この衝撃的なニュースをどう捉えられますか?」 「いやあ、これは驚きですね。情報が事実なら、国の将来を揺るがす大事件ですが……婚約破棄の理由につい....
著者 : たなか
小説家になろう

婚約者である王子に突然人生の意味を問いかけられました

「なあ、イザベラ」 「はい」 「人は何のために生きているのだろう?」 「……はい?」  ある麗らかな春の日の昼下がり、二人きりで優雅なお茶会を楽しむ憩いのひとときに、婚約者であるアラン王子殿下から唐突に哲学的な質問をされ戸惑ってしまいました。....
著者 : たなか
小説家になろう

婚約破棄パーティーで断罪してもらえず慌てています

「俺は伯爵家嫡男ダニエル・ド・ミノーム~!今日は婚約者のモンターニュ子爵令嬢に言いたいことがある~!」 「「「な~~に~~?」」」 「俺は~、君のことを~、心から愛している~!!」 「「「おぉ~~!!!」」」 「ただ~、一つだけ~、君に止めてもらいたいことがある~!」 「「「教えて~~!」」」 「人....
著者 : たなか
小説家になろう

「アラン第一王子の名において、今日この場で…」「あらあら~~?とっても不思議ですわ~~!?」

創立記念パーティーの最中、いきなり壇上にあがり演説を始めた王子の言葉を途中で遮り、私の隣で素っ頓狂な大声を上げたのは、今年で5歳になる私の妹でした。....
著者 : たなか
小説家になろう

追放された元男爵令嬢ですが、今はマタギやっています

「伏せてっ」  突然、聞き覚えのある声が辺りに鋭く響いた。本能的にその指示に従い、その場に這いつくばった瞬間、頭上を掠めるように次々と七条の赤い閃光が迸った。髪の毛が焦げたような嫌な臭いが辺りに充満する。恐る恐る顔を上げると、先程まで涎をたらして血走った目で俺を睨んでいた魔獣の頭蓋は無惨にもすっかり....
著者 : たなか
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「悪役令嬢しりとり」

「悪役令嬢しりとり」 「理解できないようなら何度でも言おう。生まれた時から俺達の間に結ばれていた忌々しい婚約は、今日を持って解消する。ルイーズ男爵令嬢こそ俺の真実の愛のパートナーであり婚約者に相応しい!」 「一方的に婚約解消と仰いますが、両家の間で結ばれた契約をそんな簡単に解消できるとお思いですか?....
著者 : たなか