四稜郭ちゃんのボードゲーム部

著者:アシキ

 交通事故に遭い、エピソード記憶――過去の思い出を喪失した僕の前に現れた後輩、四稜郭朱姫。
 僕の彼女を自称し、僕の身辺の世話をしてくれていた彼女は、僕の記憶を取り戻すために『思い出すごろく』というゲームを自作してきた。盤面には、本来の僕――言祝木慶と、四稜郭朱姫が歩んできた道程が記されている。
『言祝木くんが四稜郭ちゃんの歯ブラシを盗んで使う』
『言祝木くんが四稜郭ちゃんの作ったゲームにダメ出しをして泣かす』
 いや、こんなのが僕であるはずがない。
 僕は一体、どんなやつだったのか。
 どんなやつになっていくのか。
 モラトリアムの終着を求めて、僕と四稜郭は今日も、ゲームをする。

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