私たちの偽装結婚~姫騎士と公爵令嬢はお互いを利用することにした~

「――あなた、私と結婚しない?」

ノーラン伯爵家令嬢のレジーナは、婚約者である公爵家長男のエナサに招かれたお茶会で、エナサの妹であるアリスに求婚された。

レジーナは古くから王国騎士団として国に仕えてきたノーラン家に生まれ、自身も兄たちと共に騎士として王城に勤務している。いつしか「姫騎士様」と呼ばれるようになったレジーナだが、婚約者であるエナサには「結婚したら騎士は辞めてほしい」と言われてており、憂鬱な日々を過ごしていた。そもそも、これから先も騎士を続けたいレジーナは婚約を断ろうとしたのだが、公爵家と繋がりを作る絶好の機会だと考えた両親が了承してしまったのだ。伯爵家令嬢のレジーナが公爵家長男のエナサに婚約破棄を言い出せるわけもなく、気分は落ち込むばかり。
そんななか、お茶会でアリスと出会ったレジーナは、結婚後も騎士を続けられるようエナサに頼んで欲しいとアリスに相談をする。そこでアリスが提案したのは「私と結婚しない?」という突飛な案。

政略結婚の駒として遠い土地へ嫁入りしたくないアリスは、レジーナとの結婚すれば問題は解決すると考えたのだ。その代わりに、結婚してくれればレジーナが騎士を続けることに異議は唱えない、と約束をしてくれる。
お互いにとってメリットしかない提案なのだが、

「ですが、それはつまり……」
「そうね、偽装結婚ということになるわね」

メリットはあっても、愛も絆もない偽装結婚に他ならなかった。
悩んだ末、レジーナは騎士を続ける道を選んでアリスと前代未聞の偽装結婚をするのだが、当然、周囲の反応は良いものばかりではなく――。
※この作品は「小説家になろう」でも公開、更新しています。

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