【長編】ダークネス・リリーは萎れないー元勇者は闇を征くー

偶然見つけた特別な剣を抜いたお陰で勇者として育てられ、パーティーメンバーと共に魔王討伐の冒険に出た孤児の少年がいた。そして彼等はついに魔王が統べる世界・魔域へ乗り込み魔王城へと歩みを進める。
……そんな、ありきたりな勇者の誕生・冒険の物語。

だが、その物語が「ありきたりな終わり」を迎えることはなかった。

高難度ダンジョンの最奥に一人向かった勇者が目にしたのは、事切れたダンジョンのボスと、依頼によってボスをダンジョンごと消しに来たという「始末屋」の魔族。その魔族・一つ目族のルゴ曰く、魔王にも勇者にも属さない「裏」の世界があり、そこには彼の様な「裏稼業」を生業にする者が種族の壁を越え溢れているとのこと。初めて知った事実とその世界に、何故か心惹かれた勇者は、ルゴの導きで未知の世界に足を踏み入れることに。

迷うことなく、勇者の地位を捨てて。

「表」の世界が「勇者がダンジョンでボスと相打ちの末失踪した」と騒ぎになっている中、裏の世界で一人前の始末屋を目指し修練に明け暮れる者が一人。
仲介所「漆黒の百合」を拠点に活動する青年・「シーク」ーー彼こそが、かつての勇者であった。

これは、勇者と呼ばれていた青年が裏稼業を通して、世界の真実と自らに向き合う物語である。

※この作品は物語の世界観上、反社会・反道徳・差別的描写を含みますが、そういった思想・行動を推奨・助長するものではありません。
※セルフレイティングしていますが、物語のプロット上暴力・流血表現が度々登場します。

それらの点を承知した上でお読みください。
もしその様な世界観や描写が苦手という方は、バック推奨です。

レビュー