バザールで野菜を売っているジェニは、身分を偽ってジェニファー・ダレル侯爵令嬢として王立学園に通う事になる。
そんなジェニが幸せになる話です。
是非、読んでくださいね!
ノエルの声で、鏡に映った自分を見た。
今まで手入れのされていなかったボサボサな髪は艶々で、くすんだ赤毛は、キラキラとしたオレンジ色になっていた。胸まである髪は結ばずに緩く巻かれている。メガネで隠れていた瞳は、コンタクトのお陰でヘーゼルナッツ色に輝いていた。
学園の夏の制服は体のラインに沿ってぴったりとしていて、スカートは膝が見えるくらいの長さになっている。
そして、ハイヒールを履かされた。
「これで、流行の最先端スランジ王国から来た、ダレル侯爵の姪、ジェニファー・ダレル様の完成!
さぁ、王立学園に行きますよ」
とノエルは満足そうに言い、侍女に何かを告げた。
私はノエルに促されるように歩き出したが、早速、転びそうになった!
このピンヒール!
庶民には辛い!
うまく歩けない私を見て、ノエルはため息をつくと、
「後でみっちり歩く練習ですね」
と、若い侍女に私の手を引かせた。
ホールを出ると、そこにはダレル侯爵家の方々が待っていた。
そこには車椅子に乗った婆ちゃんもいる!
「ジェニ、綺麗よ。」
婆ちゃんは泣きそうになりながら手を振ってくれた。
私は皆に見送られながらダレル侯爵家を後にした。
この瞬間から、私はジェニファー・ダレル侯爵令嬢として生活が始まった。
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