伯爵令嬢は物語を愛する ~ありふれた婚約破棄におけるひとつの結末~

「君との婚約を破棄する」

それこそが、テレサ・ドルステンが待っていたものだった。
世に溢れるロマンス小説のごとく、王子の恋を邪魔する少女として婚約破棄を宣言される。それをもとにして、自分で物語を書く機会がようやく訪れたのだ。

従者の青年は主人に問う。

「盛りすぎじゃないですかこれ」
「大袈裟なぐらいでちょうどいいの、本当のことを書く必要はないの」
「悪役の立場である少女が主人公じみているのですが」
「流行りらしいわ。王子の恋を邪魔する少女は、公衆の面前で断罪されるのですって」

第二王子に婚約破棄された、物語を愛する伯爵令嬢。
彼女を待っているのは、さて。どんな結末?

投稿先:エブリスタ

※「小説家になろう」は株式会社ヒナプロジェクトの登録商標です
本サービスは株式会社ヒナプロジェクトが提供するものではありません

レビュー