王太子妃になるべくなった侯爵令嬢は、その責務を全うする~2度目の王太子との婚約は結婚へと至りましたが、私は愛を諦めました~

著者:茉莉花

エルヴェスタム侯爵令嬢のディオーナは生まれたときからアルベルト王太子と婚約を結ばれ、後の国母として育てられた。ところがアルベルトの真実の愛という名の元に婚約破棄を宣言され断罪されかけた。もちろんこれは冤罪であり、王家はこの出来事とディオーナという後ろ楯を失ったことで失脚する。代わりに王家となったアールグレーン公爵家にはアルベルト元王太子と同じ歳のオリヴェルが存在し後に彼は立太子した。それから10年の歳月が過ぎ、ディオーナは王太子との婚約を打診される。断ることなど出来ずディオーナはオリヴェルと婚約し王家へと嫁ぐことになった。
しかし、ディオーナはこの時既に30歳で初婚、オリヴェルは前妻を亡くした為の再婚であり、ディオーナは後妻だ。オリヴェルは愛妻家として有名であったため、政略結婚であることは明らかだったのだが、ディオーナには秘めた想いがあった。オリヴェルは初恋の相手であり、今も尚想いを寄せる相手でもあったのだ。
ディオーナに求められたのは王太子妃という存在であり、オリヴェルの妻でもオリヴェルと前妻との息子ヴィクトル王子の母でもなかった。愛や女性としての幸せは諦め、自分の責務を全うすることを心に決めたディオーナ。愛を知らないディオーナは完璧な国の駒として活躍していく。次第にその真っ直ぐに真面目に生きるディオーナを慕う者たちが増えていく。そんな中距離を感じていたオリヴェルには少しずつ明らかになっていく事実が。果たして、ディオーナが想いを寄せるオリヴェルの想いとは。

このお話はカクヨムにも掲載しています。

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