辺境伯閣下との婚約を解消するつもりだったのですが

グレース・オルドヌングは貴族令嬢には珍しく、事務仕事に長け商才のある娘だった。その才能を買われ辺境伯セオドア・オルニエールとの婚約が成立し、すぐに彼の持つ領地に迎えられた。オルニエール辺境伯領は人手不足が深刻で仕事が多く、二人は一般的な婚約者同士のような歩み寄りの時間を多く取ることはできなかった。それでもグレースはセオドアの領民思いで仕事熱心なところに惹かれていく。……けれど、そうであっても彼らは貴族だった。外聞というものがあるのだ。

大量の仕事に追われやらかしてしまった辺境伯と、身を引く決意を固めるのが早過ぎたご令嬢の話。

元サヤものですしヒーローは貴族らしく手を回しますし、一瞬邪魔が入りますがすぐに退場します。

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