俺の幼馴染はほとんど感情を表に出さないが中に飼ってる素の人格があまりにも可愛い

 高校2年生を迎える俺・高碕浩輝には同い年の幼馴染(かつ恋人)がいる。
 柚瀬あかり。
 彼女は生まれつき「失感情症」の症状を持っており、自分の感情を表情に出すことのない女の子だった。普段生活・会話や勉学などの中で支障が出ることはなかったが、恋人が常に無表情と言うのも考えもの。
 しかし。
 そんな俺にはあかりの心の内を覗く術がある。それは彼女の素の感情がそのまま付与された小さな分身。俺にしか見えない手のひらサイズのそれは彼女の感情が昂ぶると身体からひょっこり顔を出す。
 これがまた可愛くてしょうがないっ! マジ可愛い!
 無表情で何を考えているかわからない彼女と嫌と言うほど感情丸出しの分身のギャップに風邪をひきそうになりながら、彼女と過ごす日々はそれはそれで悪くないものだ。ちゃんと両想いだし、あかりは分身のせいで隠し事できないから、俺も素直に付き合える。
 そんなある日。俺は突然目の当たりにする。
 感情が表に出た、あかり(本体)を……。
 
※1:作中に登場する地名は実在するものもありますが、学校名、団体名、WebサイトやSNSなどは架空のものを設定しています。第三者の権利を侵害する可能性のある内容を避けるためですので、ご了承ください。
※2:“過度で直接的な”性描写はありません。…続きを読む

レビュー