鎌喚びのアリナ

 黄金時代の繁栄に湧くクラスナヤ社会主義共和国連邦。
 誰もが希望に沸き、未来ある明日を信じる時代。そんな時代に、未曾有の悲劇は起きた。

 不吉な霧とともに突如として現れた魔物の軍勢。そしてそれを率いる古の血族マリヤによって、連邦の指導者ドミトリとその娘が殺された。
 指導者を失ったことで、連邦は再び混迷の時代に巻き戻った。人々はいつ来るともわからない魔物の侵攻に怯え、さらに国内には、身体と心を蝕む”霧の病”が蔓延しつつあった。

 そんな最中、魔物の巣窟と化した、かつての連邦首都アレクサンドルグラードに向かう一人の少女がいた。彼女の名はアリナ・ドミトリエブナ・ラブロフスカヤ。亡き指導者ドミトリの、その密かに生き残った娘である。

 彼女、アリナが目指すはアレクサンドルグラードの中心。今は奪われた自らの居城、ウビーツァ・ドラコノフ王城の玉座。
 自分から全てを奪った、かの逆賊マリヤを討つため、アリナは単身、アレクサンドルグラードへと飛び込んだ――。

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