学芸員《キュレーター》と不思議な展示品―或る魔術師の鑑定報告書

帚木直人、大学三回生。何に対しても無関心だった彼が大学で見つけたのは、魔女と噂される女性。
その女性は私営博物館、目黒博物館の館長であり、魔術師だった。名を目黒ともこという。
ともこの元には、紅猪口、呪われた人形、謎の望遠鏡レンズといった不思議な品が届けられる。
ともこは時の魔術を使い、時間を遡ってその品を鑑定する魔術師だったのだ。
バイトとして博物館で働くことになった帚木もともこに付き添い、時間を遡るが、しかし、二人はそこで魔術具である時計を狙う謎の男に襲われることとなり――。

「あのね。物というものは、それを必要としている人の元へと自分から向かうものなの。どうしてあなたの元へ来たのか、私はそれを鑑定するわ」

人とモノと時間が、今、ともこの魔術により、再現される。
人とモノをつなぐ、ちょっと変わった博物館と学芸員とバイトの物語。

(表紙イラスト:如月簓様)

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