【R18】存在を許されなかった男爵令嬢は、白虎のツガイとなり溺愛される

著者:こはる

フローラ・アードラー男爵令嬢は、花の名前を持っているにも関わらず黒い髪、黒い瞳をしていた。 亡き母と、師匠でもある魔女は『黒はね魔力が凝縮された尊い色なのよ』と言っていたが、世間は彼女を『不吉な死の色』を纏っているという。
やがてフローラは、姿隠しの術で姿を隠しながら生きるようになる。
男爵家の屋敷は、掃除をしなくても何時もキレイ。
男爵家の屋敷は、いつも温かな食事が並んでいる。
男爵家の屋敷は、繕いものが勝手になおる。
とても不思議なお屋敷。
子供達は、そう歌い。
大人達は、フローラのことを忘れさって「不思議だなぁ」と呟いた。
存在しないが、フローラはその平和が嫌いではなかった。
幸福ではない平和は、長くは続くことなく。
アードラー男爵家の者達に言い渡される死刑宣告。
逃げた先で出会った白虎にフローラは願った。
「私を食べてください」
白虎は、外交を終えて自国へ戻る途中で、散歩に興じていた獣人国の貴族リンデンベルク公爵であった。
幸福でなくていい平和に暮らしたい。
ただソレだけを願っていたフローラは、やがて愛を求め始めた。

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