幼馴染と幸せになりたい? 殿下、彼女のことを罵っていたことを、彼女は知っているのですか?

著者:鈴村

「お前との婚約は破棄する。おれは幼馴染と一緒に幸せに過ごしたいんだ」

「え……」

 幼馴染を連れて来たアイザック王子の告白に、私は言葉を失った。
 話を聞けばどうやら、殿下は幼馴染と浮気をしていて、私との婚約を破棄するよう、幼馴染に言われたそうだ。
 なんだか、すべてがどうでもよく感じた。

「あ、そうですか、どうぞ、ご自由に」

 私は投げやりな返事をして、殿下のもとを去ろうとした。
 しかし、ここで一つ、『とあること』が気になった。
 答えを知りたいので、殿下に聞いてみることにした。

 だが、この質問は、殿下と幼馴染の仲を引き裂くことになるかもしれない。
 でもそれは、『結果的に』そうなるだけのことで、私は純粋に疑問に思ったから質問するだけだ。
 復讐しようと思っているなんてことは、断じてない。

「あのぉ、殿下、最後に質問があります。これは、殿下が以前おっしゃっていたことなのですが──」

 私は、二人の仲を引き裂く可能性のある質問をした……。

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