「メグ・オベリティ、きみとはあくまでも雇用者と被雇用者の関係だ。この結婚の意味をはき違えないようにしてくれ。おれはきみを愛していないし、愛するつもりもない。きみのことは、隣国から亡命してきた国王の孫だということくらいしか知らないし、それ以上のことを知ろうとも思わない」
婚儀を終え、初夜を迎えるはずだった。花嫁メグ・オベリティは、夫のはずのスカルパ皇国の皇太子アルノルド・ランディに宣言された。雇用期間は愛妾が懐妊するまでで、悪妻としてふるまえという雇用条件まで叩きつけられた。
隣国の国王だった祖父が内乱によってその座を奪われ、亡命してきたオベリティ一家。現在はすっかりおちぶれ困窮しまくっている。その家族の助けになれるのなら、雇われるのも悪くはない。
彼女は快く了承する。そして、雇われたからには立派な悪妻を演じようと奮闘を開始する。
しかし彼女の悪妻ぶりは、逆効果をもたらせてゆく。しかも、「愛さない」宣言をした皇太子まで彼女に絡んでくるようになり……。
このままだと、お給金をいただけないかも。
彼女の焦りをよそに、物語は思わぬ方向へと進みはじめる。
※全十一話。ざまぁ要素あり。ゆるゆる設定です。ハッピーエンドいたします。
※誤字脱字報告、心より感謝申し上げます。(6/2現在)
レビュー