【完結】変わり者の令嬢と臨時護衛騎士

 突然申し入れられた騎士団長からの依頼は、大公家の令嬢の護衛役だった。なんでも令嬢が旅に出たいということで、大公家から直々に依頼がきたようだが、その令嬢は変わり者と有名な令嬢で…。

「日程やルートは何か希望はありますか?」
「通りに町などがあれば、見ていきたいです」
「そうですね、できるだけ町で休息できる場合はそうしたいと思います」
 やや困った顔をしてアキリアは言いづらそうに言葉を続ける。
「……、どうしても町や村がない場合ですが……」
「野宿になっても構いません」
 きっぱりそういったリメラリエに、アキリアのほうが困惑する。それはそうだろう。
「……、野宿をした経験は……?」
「ありません」
 そうだろうなと思いながら聞いたのだろう、アキリアの表情は特に変わらなかった。
「……、騎士とは言え、私も男ですが、大丈夫ですか?」
「我が国の騎士を信頼しています」
 にっこり微笑んで見せると、アキリアも少し微笑んだ。

 前世の記憶を持ったいつまで経っても世界に馴染めない令嬢と、とある事情を抱えた騎士が一緒に旅をし、奇妙な縁からお互い惹かれ合っていく、そんなお話。

 飛んだ白い靴は、誰の背中を押して、誰の運命を変えたのか?

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