どうもこんにちは、伯爵令嬢です。枕営業しに来ました。

著者:伊賀海栗

伯爵家が長女ミラベルでございます。こんにちは。
早速ですが、我が伯爵領は複数の天災に見舞われ財政破綻待ったなし。他家からの援助を模索する我々に、取引のある凄腕の商人が言うには『最も手早く確実に取引を成功させるなら枕営業だ』そうです。
かくなる上は……! というわけで、公爵家へやって来ました。
目の前には噂に違わぬ美男子の公爵令息、アダルスタン様です。

「こんにちは。枕営業をしに参りました」
「いま、なんて?」
「アダルスタン様は不眠に悩んでおられると聞きました」
「もしかして本当に枕を売ろうとしている?」

そんなわけがないじゃないですか。もっと論理的に考えていただかないと。
ふんすふんす。

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