「ヴェル・ド・レギン公爵令嬢、もはやそなたを王家へ迎え入れる理由は何もない」
病によって二目と見られない姿となった私は、王太子殿下から婚約を破棄されてしまいました。
その殿下の隣では、美しい妹がぞっとするほど酷薄な笑みを浮かべています。
身に覚えのない罪を着せられ、さらに妹からは密かに命を狙われる始末。
そんな絶体絶命を救ってくださったのは、妹の婚約者であり隣国の超エリート官僚、クワスル様でした。
しかも気が付けば空の上。あっという間に隣国へと誘拐される私。
どうして彼が?
なぜ私を?
ここはどこ?
あれは何?
「貴女の疑問へお答えする時間はたっぷりありますから、安心して」
怪物の私にも分け隔てなく接してくださるクワスル様。
できることなら、彼のお側で生きていきたい。
そのためには、過去や妹としっかりケリをつけなくてはいけません。
一線を越えた妹には、姉である私が最初で最後の躾をしてあげなくては。
※全2話、前後編構成。
レビュー