吾輩はモフモフマンジュウモドキである。

突如、地球より異世界に転移させられた三十名の高校生たち、彼らは地球での姿形を失っていた。それは即ち、異世界転生を果たしたという証明。そんな戸惑う彼らの中に、珍妙不可思議な生物が紛れ込んでいた。

その名もモフモフマンジュウモドキ。乳白色の柔らかな毛に覆われた楕円形の小動物である。大きさは15センチメートル程度。
目鼻口は視認できるものの、耳、尻尾、足は全て獣毛に埋まるほど短いため、その外見は毛の生えた饅頭だ。

転生者たちは心の整理も付かぬまま、無理矢理異世界転生させた人物に魔王討伐を命ぜられる。
そして、彼らは納得しないまま、必要最低限の物資を与えられて討伐の旅に発たされたのだ。

これは、珍獣モフモフマンジュウモドキが大活躍……はせず、大活躍する転生者たちを見守ったり邪魔したり癒したりする物語である。

レビュー