やっと勇者が俺を追放してくれたので、前々から誘われてた教師になった~勇者パーティーにいた二人も添えて~

俺、ティルファ・ディルソフは、いわゆる万能魔法使いだ。回復も使えるし、攻撃魔法もできるし、補助魔法も使える。だからその腕を見込まれ、勇者パーティーの一員として頑張ってた。
頑張ってた………んだけどなぁ。
最初はさ?まぁ俺もよっしゃ頑張るかーとか自分でもありえないことを思ってそれなりに勇者パーティーの一員として頑張ってたよ?でもさ、勇者の態度が良かったのなんてたった1日だけだよ1日だけ。次の日からは平気で荷物持ちさせられるし、戦闘で勇者が傷を負ったら何故か俺が責められるし……。
お前が回避下手くそなんじゃろがい!とかめっちゃ思った。でも我慢した。言ってもどうせうるせぇ!とか言ってぶん殴られるだけだろうし。
癒しは同じ勇者パーティーにいた、勇者がハーレム目的で連れていた女の子たちだけだったよ。ぐすん。ミスしても気にしないでください!とか優しくしてくれて……やだ、惚れちゃう。
しかし、俺はこんな勇者パーティーから追放されるようにわざとしくじった。魔法も手加減したし、わざと詠唱速度長くしたりして、存分に足でまといを演じてやった。
そして、ついにその努力が実ったんだ!
「ティルファ。今までおつかれさん。金置いてとっととパーティーから抜けてくれね?」
「え!?まじっすか!?チィーッス!ありがとうございまぁす!!」
ベターん!と金を勇者の顔面に投げて意気揚々と酒場を出た俺。行先は既に決まっている。姉が学園長を勤めている魔法使いを育成する学校で、教師をするために俺はその日のために街を出ようとしたんだが………。
「ほらティルファ!グズグズしてると置いていくわよ!」
「ティルファさん!寝る時は普通の枕と私の膝枕、どっちがいいですか?」
………あれ、なんでいるんすか?…続きを読む

レビュー